田山花袋が活躍した明治時代は、世界、日本国内ともに情勢が大きく動いた時代でした。その最たるものが国家間での近代戦争であり、日本が世界へ向けて進出しようと模索していた時代でもあります。花袋が大きく関わったのは、明治37 年(1904)に起こった日露戦争です。私設写真班の記者として従軍した花袋は、戦場をつぶさに観察し、戦況報道用の記事、そして家族、友人
への書簡を戦地から日本へ送り続けました。当時の資料、雑誌からは、花袋が「見た」戦場のようす、戦地での生活を伺い知ることができます。小説家としてだけではない、報道に従事した花袋の一面をお楽しみください。
■展示会名:田山花袋記念文学館 特別展 「花袋が見た戦争」
■主 催:館林市教育委員会
■会 期:令和7年10月4日(土)~11月24日(月・振替休日) 各日9:00〜17:00(入館は16:30迄)
■休館日:月曜日、10月14日(火)、11月4日(火) ※10月13日、11月3日・24 日は開館します
■会 場:田山花袋記念文学館 企画展示室 (住所:〒374-0018群馬県館林市城町1番3号)
■展 示:
《序章》明治時代の雑誌と文壇
・明治時代の雑誌の内容や文壇の動き、「小説」というジャンルのはじまりから自然主義文学の起こりを簡単に解説しています。
《第一章》従軍する花袋
・日露戦争が始まった明治37 年、田山花袋は私設従軍写真班として戦地に赴きました。従軍前~初期にかわされた書簡などを展示します。
《第二章》南山の戦い
《第三章》得利寺の戦い
《第四章》大石橋の戦い
・従軍中の花袋が「見た」主な観戦地について、花袋が書いた記事を中心にご紹介します。
《第五章》無念の離脱
《第六章》日露戦争の結末
・決戦の地、遼陽へ赴く直前、花袋を病が襲います。流行性胃腸熱にかかった花袋は入院を余儀なくされ、戦線から無念の離脱となりました。その後、日露戦争終結までの出来事を簡単に紹介します。
《第七章》帰国後の花袋
・帰国した花袋は、数々の作品を手掛けた他、館林で凱旋講演を行いました。作品の紹介や講演時の資料を展示します。
《第八章》「日露戦争実記」発行秘話
・花袋が勤めていた出版社、博文館が発行した「日露戦争実記」は、当時10 万冊以上売れる大ヒットを記録し、花袋の名を広めることにもつながりました。「日露戦争実記」発行までの苦労や工夫をご紹介します。
■資料点数:約60点
■入館料:【一般個人】220 円【一般団体】110 円(20 名以上)【中学生以下無料】 ※ただし、家庭の日(10/5、11/2)と「群馬県民の日」(10/28(火)) は入館無料
■展示解説会:家庭の日(10/5、11/2)と「群馬県民の日」(10/28(火)) 14:00 から30分程度
□問合せ:館林市教育委員会文化振興課文化財係